【問題】アミノ酸の代謝(川崎医科大学_2年生_総合試験_2015年_B29)

医学部進級対策ゼミ「医進ゼミ」の代表の石戸です。

本日は、質問を頂いた問題とその解説をご紹介致します。
ぜひ、チャレンジしてみてください。

【平成27年度の総合試験のB29】
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アミノ酸とその代謝に関して正しいのはどれか。
a グルタチオンの構成物質にイソロイシンがある
b トリプトファンは分岐鎖(分枝鎖)アミノ酸である
c フェニルケトン尿症ではフェニルアラニンの合成が障害される
d メープルシロップ尿症ではロイシンの代謝が障害される
e ピルビン酸にアミノ基が転移されるとグルタミン酸になる
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※正解は解説の最後に下線付きで書いています。
答えを先に知りたい方は下にスクロールしてください。

(解説)
a グルタチオンは3つのアミノ酸からできるトリペプチドです。
3つのアミノ酸はグルタミン酸+システイン+グリシンです。
したがって、イソロイシンは含まれていないので×です。

b トリプトファンは分岐鎖アミノ酸ではなく、芳香族アミノ酸です。
したがって、×です。
芳香族アミノ酸は3つ覚えておきましょう。

((POINT))芳香族アミノ酸
フェニルアラニン・チロシン・トリプトファン

c 芳香族アミノ酸の1つであるフェニルアラニンは
フェニルアラニン水酸化酵素によってチロシンになります。

フェニルアラニン→→→(フェニルアラニン水酸化酵素を利用して)→→→ チロシン

 ちなみに、フェニルアラニンのベンゼン環にOH(水酸基)がついたものがチロシンです。
だから、フェニルアラニンからチロシンへ変換するこの酵素の名前をフェニルアラニン水酸化酵素といいます。
そして、このフェニルアラニン水酸化酵素が障害されている疾患がメープルシロップ尿症です。
したがって、フェニルケトン尿症ではチロシンの合成が障害されます。以上よりcも×です。

d 正しい。
メープルシロップ尿症は、
分岐鎖アミノ酸→→分岐鎖αケト酸→→(分岐鎖αケト酸脱水素酵素を利用異して)→→アセチルCoAなど の代謝経路において、
分岐鎖αケト酸脱水素酵素が障害されている疾患です。
つまり、メープルシロップ尿症では分岐鎖アミノ酸の代謝障害が起こります。
そして、分岐鎖アミノ酸とは、バリン・ロイシン・イソロイシンのことです。
したがって、この選択肢は〇となります。

  ((POINT))分岐鎖アミノ酸
バリン・ロイシン・イソロイシン

 ちなみに、メープルシロップ尿症では、
分岐鎖αアミノ酸→→分岐鎖αケト酸の経路は正常に起こりますが、ここで止まります。
つまり、分岐鎖αアミノ酸は少なくなり、分岐鎖αケト酸は多くなります
「メープルシロップ尿症では分岐鎖アミノ酸は低値、分岐鎖αケト酸は高値となる」でも正解です。

e アミノ基転移によってグルタミン酸になるのは、αケトグルタル酸です。
したがって、×となります。

(解答)d

アミノ酸の代謝を問うすごく良い問題です。
CBTや国試でも登場する内容ばかりですので、
できなかった問題はぜひ復習してくださいね。

(追伸)
医進ゼミでは、このように、
岡山と東京で、
問題のわかりやすい解説を行っています。

授業は1対1の個別指導です。

試験まで時間がなくて、
・分野ごとに問題を整理する時間がない。
・1つ1つの問題の解答を調べる時間がない。
という方は、ぜひお問い合わせ下さい。

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