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医進ゼミの石戸です。
本日は、「大動脈弓から分岐する3つの血管の覚え方」について解説します。
皆さんご存じの通り、人間の血管はたくさんあります。その中で、特に大事な血管が大動脈です。なぜ大事かというと、大動脈とは、心臓から、直接全身に血液を送り出している血管です。この血管がダメになると、命の危機に繋がる可能性があります。なので、大動脈は大事な血管なのです。
今回は、この大動脈弓から分岐している3つの血管の覚え方について、ゴロを紹介しながらお伝えしていこうと思います!
そして後半では、CBTの例題や、医師国家試験の過去問を通して、実際にどのように問われているのか、解説していきます。
とても役に立つ内容なので、ぜひ、最後までご覧ください。
そして、あなたの進級試験・CBT・医師国家試験対策の参考にしていただけたらと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう!
ちなみに、本記事の内容は動画(YouTube)でも解説しています。
動画でご覧頂きたいという方は下記リンクから動画の方でご覧ください。
大動脈弓から分岐している3つの血管
それでは、大動脈弓の血管について解説します。
大動脈という血管が、心臓の左心室より出ています。そして、大動脈弓からは、3つの血管が分岐しています。大動脈弓から分岐している、この3つの血管がとても重要な血管なので、今回はこの3つの血管を解説していきます。
上図にあるように、大動脈弓から3つの血管が分岐していますが、それぞれ名称を覚えていますか?
結論から申し上げると、左から、①腕頭動脈、②左総頚動脈、③左鎖骨下動脈です!
大動脈弓から分岐している3つの血管の覚え方
では、この3つの血管、①腕頭動脈、②左総頚動脈、③左鎖骨下動脈の覚え方について、さっそくご紹介しましょう。覚え方のゴロはこちらです!
「ユミは右手で茶碗を持ち、左手で操作をする」
それでは、詳しく解説していきましょう!
ユミさんとは、大動脈弓のことです。皆さんは、普段お茶碗は、どちらの手で持っていますか?右利きの人であれば、お茶碗を左手で持ち、お箸を右手で持つことが多いのではないでしょうか。でも、ユミさんは違います。ユミさんは右手でお茶碗を持ち、左手でお箸を操作するのです。
ユミ → 大動脈弓
右手 → 右側
茶碗 → 腕頭動脈
左手 → 左側
操 → 左総頚動脈
作 → 左鎖骨下動脈
注意しないといけない点としては、腕頭動脈は1つしかありません。なので、右腕頭動脈や左腕頭動脈というものはありません。右腕頭動脈と書かないように注意しましょう。
そして、総頚動脈や鎖骨下動脈は、左右存在します。ですので、左を付けるのを忘れないようにしましょう!
ぜひ、この覚え方を活用してみてください!
大動脈弓から分岐している3つの血管-CBT編-
では、実際にCBTではどのように問われているのか、見ていきましょう!
CBTの問題は、非公開になっています。なので、医大生の9割以上の方が使用しているQuestion Bank(Medic Media)の問題集を元に作成した類題で解説します。
(Medic Media QB 2-125・類題)
大動脈から直接分枝するのはどれか.
a 左外腸骨動脈
b 左総頸動脈
c 右椎骨動脈
d 右鎖骨下動脈
e 脾動脈
「ユミは右手で茶碗を持ち、左手で操作をする」なので、正解はbです。
大動脈弓から分岐している3つの血管-医師国家試験編-
続いては、実際に医師国家試験ではどのように問われているのか、見ていきましょう。
「ユミは右手で茶碗を持ち、左手で操作をする」で瞬殺です!
(第107回医師国家試験 G-12)
大動脈から直接分枝する動脈はどれか.
a 総肝動脈
b 左総頸動脈
c 右椎骨動脈
d 右鎖骨下動脈
e 左外腸骨動脈
正解はbです。
大動脈弓から分岐する3本の血管は、頻繁に試験で問われています。試験で非常によく使える内容なので、ぜひしっかりと押さえておいてください!
大動脈弓から分岐している3つの血管-プラスα編-
大動脈弓の右側からは腕頭動脈が分岐しているという解説をしました。では、腕頭動脈はどのように分岐していくのか、ご紹介しておきましょう!
先ほど、総頚動脈や鎖骨下動脈には右側もあるという解説をしたのを覚えていますか?では、どこにあるのかというと、まさにここなんです。
血管は左右対称に走行しているので、③左鎖骨下動脈の対象の位置にあるのが、④右鎖骨下動脈です。そして、②左総頚動脈と対象の位置にあるのが、⑤右総頚動脈です。
また、総頚動脈は、首より上を走行しており、大動脈弓は首より下に位置します。
さらに、⑤右総頚動脈は、2つの血管に分岐します。それが、右内頸動脈と右外頸動脈です。外頸動脈は最初は内側を走行し、後に外側にいきます。また、内頚動脈は、最初外側を走行して、内側に入っていきます。ですので、⑥右外頸動脈、⑦右内頸動脈となります。内頚動脈と外頸動脈の位置関係については、細かい知識のため、試験であまり問われることはありません。したがって、ざっくりと、右総頚動脈は右内頚動脈と右外頸動脈に分岐すると覚えておけばいいでしょう。
ちなみに・・・左の総頚動脈についても同様です。⑧、⑨は⑧左外頸動脈、⑨左内頸動脈となります。
大動脈弓から分岐している血管について、しっかりとイメージできるようになったでしょうか。
最後に、今までの知識を使って、最新の医師国家試験の問題を解いていきましょう!
大動脈弓から分岐している血管-医師国家試験編-
(第118回医師国家試験 F-26)
頸部を圧迫した際に閉塞しないのはどれか.
a 気管
b 外頸静脈
c 総頸動脈
d 内頸静脈
e 腕頭動脈
先ほど、総頚動脈は首より上を走行している、と解説しました。総頚動脈から分岐するのが内頚動脈と外頸動脈ですので、これも首より上を走行しています。もちろん、気管も首を走行していますよね。ですので、正解はeです。
腕頭動脈は、大動脈弓から分岐してすぐの位置なので、首よりも下を走行しています。なので、首を圧迫しても、全く閉塞しません。
まとめ
長くなったのでまとめておきましょう!
今回は、大動脈弓から分岐する血管というテーマで解説させていただきました。
覚え方は、「ユミは右手で茶碗を持ち、左手で操作をする」です。これを毎日、呪文のように唱えて覚えてくださいね!
まず、大動脈弓からは3つの血管が分岐しています。右側から、①腕頭動脈、②左総頚動脈、③左鎖骨下動脈です。そして、腕頭動脈は右側から、右手に向かって④右鎖骨下動脈、首のほうに向かって⑤総頚動脈へと分岐します。
さらに、総頚動脈は、外頸動脈と内頚動脈に分岐します。
頭の中で血管の分岐がイメージできましたか?試験で、とてもよく使える内容ですので、ぜひこの機会にしっかりと覚えて頂けたら、と思います。そして、進級試験やCBT・医師国家試験で合格を勝ち取ってください。
(追伸)
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