川崎医科大学の驚きの進級制度について現役医師が解説します

医進ゼミの石戸です。

本日は、「川崎医科大学の驚きの進級制度とはというテーマで、現役医師の石戸が解説をしていきます。

実は、川崎医科大学では科目試験で単位を落としてしまっても留年にはなりません!例えば、解剖学の本試験に落ちてしまい、さらに補充試験(追試験)にも落ちてしまったとします。この場合、多くの大学では留年となってしまいます。しかし、川崎医科大学では留年にはならないのです。

では、川崎医科大学では進級や留年はどのようにして決まるのか?というと、実は総合試験という試験によって決まるのです。

本日は、川崎医科大学の進級制度について、三部構成で解説していきます。

① 総合試験とは何か?
② 科目試験と総合試験の関係
③ 川崎医科大学の進級の難易度

という3つのテーマに分けてお伝えしていきます。

最後におまけとして、この総合試験制度について、私の見解を述べていこうと思いますので、ぜひ、最後までご覧ください。
そして、あなたの進級試験対策の参考にしていただけたらと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう!

ちなみに、本記事の内容は動画(YouTube)でも解説しています。
動画でご覧頂きたいという方は下記リンクから動画の方でご覧ください。

川崎医科大学の進級試験の仕組み

先ほど、川崎医科大学では科目試験ではなく総合試験によって進級が決められるというお話をさせていただきました。

では、総合試験とはどのようなものなのでしょうか?

①【川崎医科大学の進級制度】総合試験とはなにか?

総合試験とは、科目試験が全て実施された後に行われる試験です。総合試験では、各学年1年間の履修内容のほぼ全てが出題範囲となります。この内容を1日または2日かけて実施される試験が、総合試験です。

つまり簡単に言うと、総合試験とは、1年間に習った内容全てをまとめた総まとめテストです。総合試験の実施時期は、学年によって異なります。1-3年生は2月中旬、4年生は11月初旬、5年生は3月初旬に実施され、6年生では総合試験は実地されません。

1-3年生 2月中旬
4年生 11月初旬
5年生 3月初旬
6年生 実施なし

また、総合試験の総合点は100点満点ですが、合格基準は学年により異なります。総合試験を受けて、各学年により定められている基準点以上を獲得することができれば、進級可能となります。

では次に、川崎医科大学の総合試験は科目試験とどのように関係するのか?について解説しましょう。

②【川崎医科大学の進級制度】総合試験と科目試験の関係

総合試験では、各学年ごとに定められている基準点以上を取ることができれば進級となる、というお話をさせていただきましたね。ではこの総合試験に対して、科目試験はどのような働きを持つのでしょうか?実は、科目試験の結果によって総合試験から加点または減点されるのです。

例えば循環器という科目の試験を受けたとします。そこで90点以上取ることができれば、総合試験において1点加点になります。一方、本試験で不合格となり、さらに補充試験(追試験)でも不合格となった場合は、本試験の獲得点数に応じて減点されます。本試験が40-59点であれば総合試験からマイナス2点、1-39点であればマイナス3点、0点であればマイナス5点が総合試験から減点されます。

このように川崎医科大学では、科目試験の本試験、さらには追試験で不合格となった場合でも、それだけで留年にはなりません。総合試験で合格点以上を取ることができれば進級することができます。

例えば、循環器の科目試験が最終的に50点であれば、総合試験からマイナス2点の減点となります。なので総合試験では、総合試験の合格基準点プラス2点を取ることができれば進級することが可能です。

以上のように、科目試験は総合試験に対して加点と減点の役割を持っているという関係性があります。では最後にこれらを踏まえて、川崎医科大学の進級制度はほかの大学と比べて結局厳しいのか?それとも易しいのか?という点について解説していきましょう!

③【川崎医科大学の進級制度】厳しいの?易しいの?

ズバリ!川崎医科大学の進級制度は、どの学年においても厳しい!と言えるでしょう。

川崎医科大学の総合試験で合格点を取ることはとても難しいです。その理由は2つあります。

総合試験が難しい理由1)範囲が膨大だから

総合試験が難しいと言える理由の1つ目は、総合試験の範囲が膨大であるからです。総合試験の試験範囲は1年間で習った全科目が対象です。なので、一夜漬けで勉強する…といった付け焼き刃の勉強では太刀打ちできません。このように範囲が膨大であるという点で難しい試験であると言えます。

総合試験が難しい理由2)過去問が通用しないから

そして、総合試験が難しいと言える理由の2つ目は、過去問が通用しないからです。試験範囲が膨大であっても、例年過去問通りの出題がされているのであれば、合格点を取ることはあまり難しくはないでしょう。ですが、川崎医科大学は公式に「過去問をそのまま出題するということはしない」と発表しています。ですので、総合試験では1年間に習った全範囲から出題され、なおかつ過去問とは異なる新しい問題が出題されます。そんな中で基準合格点以上(例えば、3年生であれば65点以上と設定されています。)を獲得することは、かなり厳しい試験だと言えると思います。

とは言え、CBTでは1-4年生までに習った範囲をまとめた総試験であり、医師国家試験は6年間に習った全範囲をまとめた総合的な試験です。このように、さらに膨大な範囲から出題されるCBTや医師国家試験の合格基準点が70点以上であるということを考えると、川崎医科大学の総合試験制度は妥当であるとも考えられます。

ですが、やはり他大学の医学部の進級制度と比べると明らかに厳しいと言えるでしょう。

実際、川崎医科大学では学年によっては20人ほどの留年者が出る年もあり、その点からも厳しい進級制度であると言えるでしょう。

では最後におまけとして、以上の内容を踏まえて、石戸の見解を話していきたいと思います!

おまけ~石戸はどう思うか~

さて、川崎医科大学の総合試験制度について解説をしてきました。僕としてはこの制度について、「すごくいい制度だな」と感じています。なぜかと言うと理由は以下3つあります。

① 1年間の学習内容の総復習ができるから
② すぐに留年が決定することがないから
③ 長期記憶になるから

まず、①1年間の学習内容の総復習ができるから、という理由についてお話します。学生の中で実際に、試験が終わった科目や範囲について、試験後に復習をしている方はほとんどいません。4年生時にCBTがあるので、その時に1-4年生で習った学習範囲を復習することはありますが、それまでに定期的に復習をしている方はほとんどいないでしょう。その点で、1年ごとに学習範囲を復習する機会を作ってくれる”総合試験”は有用であると思います。

2つ目の理由、②すくに留年が決定しないからですが、通常の大学であれば、科目試験の本試験・追試験を落とした時点で留年が確定してしまいます。留年が確定すると、その後勉強しようという気も起らないことが多いです。ですが川崎医科大学の場合は、科目試験を落としてしまっても留年は確定せず、総合試験というチャンスがあります。この、まだチャンスがある!ということがとても素晴らしいことだと思います。チャンスがあるので、総合試験に向けて約1年間勉強を続けることもできます。実際、当塾「医進ゼミ」でも、マイナス10点のハンデを背負った状態で入塾され、そこから総合試験に向けて一緒に勉強し、見事総合試験をクリアし進級されたという方もおられます。ですので、最後まで頑張って勉強することができるという仕組みはとてもいいと思います。

そして3つ目の理由は、③長期記憶になるからです。記憶の基本は繰り返しです。繰り返すことにより脳が大事な情報だと認識し、覚えることができます。そして繰り返すことによる記憶が長期記憶になると、CBTや医師国家試験にも役に立ちます。ですので、この総合試験制度はとてもいい制度であると言えるでしょう。

 

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